2016年もフランス人は欧州で最も映画館に足を運んだようです。前年は歴史的な記録に達しましたが、今年も延べ2億2300万の入場数。2位が英国、3位がドイツという結果になりました。フランスは売上もトップで13億9000億ユーロ。同じくイギリス、ドイツが続きます。この水準には、2億1720万の入場数に達した2011年まで届くことはなく、その年は50年来で3番目の記録になりました。
映画は最も手軽な芸術鑑賞ですが、フランスの映画館はヨーロッパで最もモダンでデジタル化されていて、一晩中開いている映画館もあり、それが入場者数の増加につながっているようです。若い世代も頻繁に映画を見ており、25歳以下の若者が映画の入場者数の3分の1を占めています。
2016年はアカデミー賞で最優秀アニメ賞を獲ったディズニーの『ズートピア』が478万の入場者数を数え、”Les Tuche 2 : Le rêve américain”というフランスのコメディ映画が2位でした。2016年で最も見られた映画ベスト10のうち、8つがアメリカ映画、ひとつがそのフランス映画、残りのひとつが、イギリス映画『レヴェナント:蘇えりし者』でした。
やはりフランスでもアメリカ映画の人気が高いのですが、フランス人バレエダンサー、ベンジャミン・ミルピエと結婚し、フランスへと引っ越してきたナタリー・ポートマンが最近フランス映画『プラネタリウム』に出演しました。ジョニー・デップとヴァネッサ・パラディの娘、リリー=ローズと共演した映画です。監督のレベッカ・ズロトヴスキはナタリーの演技を通して、フランス映画とアメリカ映画との違いに気がついたと言います。
「ナタリーの演技は表現豊かで、どんな感情でも表現することができた。それはフランスでの演技とは大違いで、アメリカ映画における演技には感情は内にあるものというより、むしろ表に現れるものだという考えがあるようです」。それとは反対に、フランス映画は感情はうちに秘めたもので、微妙な表情や行動のうちに漏れ出てくるということでしょうか。これがフランス映画のわかりにくさにつながっているんかもしれませんね。
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