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Column de saison

Les brasseries au cœur de Paris パリのブラッスリー(1)

このお店の名前は Brasserie l’Obabon と言いますが、そもそもブラッスリーとは何でしょうか。ブラッスリー brasserieは、「ビールを醸造する」という意味の brasser が語源で、もともとビールの醸造所を指しました。もちろん、そこではできたてのビールを飲ませてくれたのですが、醸造所だけでなく、その土地で醸造したビールを飲ませてくれる場所も広くブラッスリーと呼ばれるようになったのです。仲間と気軽にワイワイ一杯飲むのが目的なので、出される食事もビールに合うシンプルな料理が多かったようです。

フランスのレストランの多くは、チェーン店やファーストフード系をのぞけば、基本的にランチの時間帯の後、一旦お店を閉め、ディナーの時間帯(日本と比較するとかなり遅めで7時くらいから)に再びお店を開けますが、ブラッスリーは、演劇やバレエなどを見た後に、一緒に見に行った仲間とぶらっと立ち寄ることもできるように、ノンストップで遅くまで営業しており、仲間が大勢でも対応できるように広々とした作りになっています。また日替わりランチのおすすめメイン・ディッシュ plat du jour 以外は変わらない定番メニューと充実したアルコール類が特徴です。

実は、カフェ、レストラン、ビストロ、ブラッスリーという呼び名の間に厳密な区別はなく、店の内装、雰囲気、出されるお料理や飲み物で何となく区分され、オーナーの好みで選んだ呼び名を看板に書いたりしているのが実情のようです。しかし、比較的明確な特徴も観察できます。例えばビストロの料理はブラッスリー同様シンプルですが、安価に手に入る部位の肉をコトコト鍋で煮込み、じゃがいもやにんじんを追加していくという、作るのにあまり手間のかからない牛肉の赤ワイン煮 boeuf bourguignon やポトフ pot au feu のような料理が中心です。盛り付けも飾らず、お腹いっぱい食べられるのが売りでしょうか。それに加え、夫婦が切り盛りするような、こじんまりしたお店をビストロと称することが多いようです。敢えて訳すなら街の「定食屋さん」でしょうか。

そしてブラッスリーをビストロやレストランと違う特別な場所にしているのは、食事をすることだけではなく、友人、家族、恋人たちといった様々な人々が気軽に集い、打ち解けた雰囲気 convivialité の中で、くつろいだ素敵な時間を過ごすことができることです。

le 4 avril 2014
Cyberbloom (http://www.frenchbloom.net )
 

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