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Column de saison

映画の中のガレット・デ・ロワ

1月6日の公現祭(フランス語ではエピファニーépiphanie) は、東方から三博士がイエスを礼拝するためにベツレヘムを訪れ、贈り物をして、イエスの「顕現」を祝った日とされています。その際、ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois 王様のガレット)というお菓子を食べることが慣わしとなっています(この記事を参照)。このサクサクとしたパイ生地にアーモンド・クリームがたっぷり入った焼き菓子の中にはフェーヴと呼ばれる小さな陶器の人形がひとつだけ隠されています。切り分けたガレットの中からフェーヴが出てきた人は、「その日1日王様(王妃)になれる」という特典がついていて、紙製の王冠をかぶって皆に幸運を祝福してもらえるのでした。

ちょうど昨年2015年末に日本で公開された『カミーユ、恋はふたたび』Camille redoubleに、主人公がガレット・デ・ロワを食べる場面が出てきます。

パリ在住、女優のはしくれの40代のカミーユは、仕事も私生活もうまく行かず、お酒に溺れた生活を送っていますが、ひょんなことから16歳だった80年代にタイムスリップ。ちょうど年末だったので、実家に戻って母親の作ったガレット・デ・ロワを食べることになります。ガレット・デ・ロワが切り分けられた皿が配られる際不正が行われないよう、一番の年少者がテーブルの下にもぐって指図するという風習があるのですが、見た目は中年のカミーユがこの役を嬉しそうにやるところが見ものです。

フランスでは2012年に公開され、約100万人の観客を動員する大ヒットを記録し、第65回カンヌ国際映画祭(監督週間)SACD賞も受賞した話題作です。近いうちにDVDで楽しめるはずなので、この場面をチェックしてみてください。

フランスではガレット・デ・ロワに入れるフェーヴのコレクターも多いのですが、大阪にフェーヴの専門店ができたようです。「谷町四丁目駅」近くの「NATSUJIKAN(ナツジカン)」には4000種類以上のフェーブが揃っているとのこと。お店をのぞいてみてはいかがでしょうか。http://www.natsujikan.jp/

le janvier 10 2016
cyberbloom

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