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Column de saison

4月の魚 Poisson d’avril

4月1日は、日本でもエイプリル・フール「4月馬鹿」の日と呼ばれ、友人や家族の間でたわいのない嘘をついてからかうことがおおっぴらに許されている日ということになっています。フランスでは、この日はポワソン・ダヴリル Poisson d’avril =「4月の魚」と呼ばれています。

実はこのエイプリル・フール、もといポワソン・ダヴリルはフランス起源であるという説があるのをご存知でしょうか?

伝説によれば、それまでマリアの受胎告知を祝って贈り物を交換し合っていた4月1日が年度始まりであったのに、1564年にフランスのシャルル9世がその後の年度始まりを1月1日に変えてしまいました。しかし、この新しい暦に馴染めない人や、そもそも暦が変ったことを知らない人が大勢いて、古い風習に従って4月1日のお祝いを続けたということです。そこでこうした人々をからかって、彼らに偽物の贈り物を手渡したり、いたずらしたりしたのが始まりとされています。子供たちは、からかいの対象になった人の背中に、紙で作った魚をこっそり貼り、いたずらが見つかると「4月の魚!」と叫ぶようになりました。

ところで、どうして「魚」が出てくるのでしょうか?

正確な起源はわかりませんが、魚はキリスト教のシンボルであることも関係しているのかもしれません。ここはある説をご紹介しておくに留めましょう。4月に交換し合う贈り物はほとんどが食べ物でした。この日は、キリスト教徒の間で肉を食べることが禁止されていた四旬節の終わりの日で、魚は贈り物として最もよく使われました。そこで人をからかう習慣が広まったときに、からかうために偽物の魚を贈ることが流行ったのです。このようにして、この名高い「4月の魚」は生まれたということです。

この時期は復活祭(英語でイースター Easter、フランス語でパック Pâques)の時期でもあり、街中のショコラティエには卵の形と魚の形をしたチョコレートがたくさん並んでいて、とても楽しい雰囲気です。

もし4月1日をフランスで過ごされるのでしたら、この日はテレビや新聞などでもささやかな嘘を流したりするのでご注意を。また背中に紙で作ったお魚を貼られたまま一日中気づかなかったなんてことのないように!逆にもし誰かの背中に貼って気づかれてしまったら、「ポワソン・ダヴリル!」。これで笑って許してもらえるはず!?

le 25 mars 2015
cyberbloom

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