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Column de saison

聖燭祭の日に食べるクレープ Crêpes de la Chandeleur(2)

フランスでは、クリスマスから40日後にあたる2月2日に家族や友人達とクレープを食べる習慣があり、この慣習の来歴についてはー昨年のこの時期の記事で書きました。今回のテーマは甘いクレープの代表格と言える、クレープ・シュゼット、そして甘くないクレープが食べられるパリのモンパルナス駅周辺の話をしようと思います。

 

クレープ・シュゼットは、かの偉大な料理人エスコフィエの弟子であったアンリ・シャルパンティエが(ちなみに、神戸の洋菓子店、アンリ・シャルパンティエもこの料理人の名前にちなんでいるそうで、経営しているのはシュゼットという会社だそうです)、偶然作り出したと言われています。当時、彼はモンテ・カルロのカフェ・ド・パリで働いていましたが、未来のエドワード7世、プリンス・オブ・ウェールズが若く美しい女性とともに店を訪れ、シャルパンティエお手製のコニャックがけクレープを所望されました。ところが手が滑ってフライパンに火が入ってしまい、コニャックによる炎が上がりました。プリンスは、この光景を見てとても美しく食欲をそそる新しい演出だと思い、シャルパンティエに説明を求めました。若いシャルパンティエは、プリンスの名前をこのクレープにつける許可を願い出ましたが、粋なプリンスは彼が連れていた女性の名前「シュゼット」をつける方を望みました…

 

ところで、パリでいちばん美味しいクレープ屋と言えば、モンパルナス駅近くの「ジョスラン La Crêperie de Josselin 」を挙げることができるでしょう。モンパルナス駅周辺にはジョスランだけでなく、10軒ものクレープ屋が集まっています。なぜこのあたりに多いかと言うと、モンパルナス駅はクレープ発祥のブルターニュ地方とパリを結ぶ玄関口だからです。またクレープにはデザートの甘いクレープと、日本のお好み焼きのような、ハムやチーズや卵をはさむ食事のクレープがありますが、ジョスランではその両方が楽しめます。

 

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By OcdpOwn work, CC0, Link

le 10 fevrier 2018
cyberbloom

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