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Column de saison

キノコ狩りの秋 Cueillette d’automne

フランスでは春から夏もキノコが食べられますが、やはり秋にはスーパーでもマルシェでも、他の季節では見かけない多くの種類の天然キノコが並びます。

 

とりわけ10月に入ると、素晴らしい森のキノコが並びます。フランス人の中には、森のキノコ採りの子供の頃の思い出がある人も多いようです。10月の素敵な午後に、お友達や家族と楽しみながらキノコを探して採る…そして家に持ち帰ったばかりの新鮮なキノコを料理して皆で食べる。シンプルなお料理でも、忘れられない味になるでしょうね!

こんな想い出のキノコ料理のレシピが、フランスの個人ブログでも紹介されています。森の王様と言われるセップ茸 Cèpes、ジロール茸 girolles、モリーユ茸 morilles のキッシュです。

 

セップ茸はイタリア語のポルチーニ茸の方が通りが良いかもしれません。フランスやヨーロッパをはじめ、日本(日本名はヤマドリダケ)、中国などでも採れますが、未だに人工栽培は成功していません。現在流通しているものは全て森林で採取されたものです。新鮮なものはナッツの様な良い香りがします。また、しばらく寝かせ熟成させると独特な強い芳香を放ちます。

 

ジロール茸は黄色い色とトランペットの様な形が印象的です。日本語ではアンズタケ。あんずの様な甘酸っぱい香りがするところから「杏子茸」と呼ばれる様になったそうです。フランスではペリゴール、ボルドーなどで採れ、日本では山形県、長野県でも採れます。

 

モリーユ茸はトリュフに次ぐ高級キノコです。日本語ではアミガサタケ。笠の部分がメッシュ状になっているのでこの名がつきました。

 

フランスのブログに載っていたレシピを訳してみました。レシピにはパイ生地の作り方もついていましたが、市販の生地を買った方が簡単なので割愛します。キノコは下ごしらえしておきましょう。生のセップ茸200gは洗ってスライスしておきます。生のジロール茸200gは丸ごとだと少し大きいので、手で裂いておきます。乾燥モリーユ茸1時間ぬるま湯に浸したものを使用します。

 

まずパイシートに流し込む卵液を作ります。牛乳15cc、生クリーム10cc、全卵2個黄身1個、すりおろしたパルメザンチーズ大さじ1、塩、コショウ、ナツメグ一つまみを滑らかで均等になるまで混ぜ合わせ、ラップをかけて冷やしておきます。次にオリーブオイル大さじ2でにんにくを強火で焼き色をつけ、セップ茸、ジロール茸、オレガノ1つまみ、塩を入れ、弱火で約15分炒め、コショウをします。

 

180度に予熱したオーブンを、バターを薄く塗った22cmパイ型にパイシートを押さえ付ける様に敷きつめ、余分な生地は切り取り、敷きつめた生地の底面にフォーク等で穴をあけます。パイ生地に炒めたキノコと水切りしたモリーユ茸を敷き、卵液を流し入れ、オーブンで約40分。生地がカリカリになり、表面に美味しそうな焼き色がつくまで焼きます。

 

気持ちのよい秋晴れの日のピクニックのお供に最高です。日本では手に入りにくいキノコたち。この時期フランスに行くことがあったら、ぜひ試してみてください。この秋はロバボンでもキノコのキッシュを出してみようかな。

 

Girolles au marché d'Orange

By jean-louis zimmermann [CC-BY-2.0 ], via Wikimedia Commons

le 17 octobre
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