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Column de saison

レヴェイヨンの御馳走、シャポン

日本では、大晦日といえば年越し蕎麦をいただきますが、フランスでは、大晦日の夜食会を réveillon du jour de l’an (新年のレヴェイヨン)あるいは réveillon de la Saint Sylvestre(聖シルヴェストルのレヴェイヨン)と呼び、御馳走をいただきます。伝統的にカトリックの国であるフランスでは各日に聖人の名前を付ける習慣がありますが、12月31日は聖シルヴェストルの日なので、このように呼ばれるのです。ちなみにクリスマスイヴの夜食会もレヴェイヨンといいますが、こちらは réveillon de Noël(クリスマスのレヴェイヨン)と呼んで区別しています。伝統的にガレット・デ・ロワ(Galette des Rois 王様のガレット)をいただく1月6日のエピファニー(公現祭)まで、パーティーシーズンは続きます。 (ロバボンサイトの記事参照)

クリスマスのレヴェイヨンは家族が集まってお祝いするのに対し、大晦日は友人たちとダンスパーティーなどをして楽しむことが多いようです。カウントダウンをしながら0時を迎えると、クラッカーを鳴らして皆誰彼構わずに Bonne année ! と叫びながら抱き合い、ビズをするのが習慣です。この機会にテーブルに並ぶのが、シャンパーニュやフォワグラを使った料理、七面鳥やシャポン(3キロ以上の去勢鶏)の丸焼きなどの豪華な御馳走なのです。

このシャポン、日本ではあまり馴染みがないかもしれませんが、フランスの北東、ヴォージュ県に位置するブレスという町の特産品で、育てるのに大層手間暇がかかっています。 140日以上飼育した後去勢し、去勢した後は77日飼育しなくてはなりません。エサは屠殺一ヶ月前までは穀物が75%以上で、そこからは乳製品で育てられます。さらに「エピネット」と呼ばれる木製の小さな伏籠の暗闇に閉じ込めて育てられます。こうして、とろけるように柔らかく、風味が良い肉質に仕上がるのです。ブレスの鶏は AOC(原産地管理呼称)を名乗ることができますが、ブレスのシャポンはその中でも別格なのです。

Chapon jaune des Landes aux marrons.jpg
« Chapon jaune des Landes aux marrons » par DCTravail personnel. Sous licence CC BY 3.0 via Wikimedia Commons.

le 30 decembre 2015
cyberbloom

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