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Column de saison

ブルゴーニュ地方のワイン祭り、ラ・サン・ヴァンサン・トゥルナント

ブルゴーニュ地方では毎年1月末の週末(2017年は28日29日)に、村々のブドウ栽培者が集い、ブドウの収穫の守護聖人ヴァンサンに感謝を捧げ、その年の収穫に庇護を与えてくれるよう祈るお祭りが開催されます。

 

1938年に復活したこのワイン祭りは、中世に遡る古い歴史があります。キリスト教の歴史において、ヴァンサンという聖人はブドウ栽培者たちの守護聖人なのですが、このことは、この名前が最後の晩餐と聖体拝領、つまりワイン(Vin=ヴァン)と血(Sang=サン)を想起させる象徴的な名前だからということに由来しているようです。ただヴァンサンという名前を持つ聖人はたくさんいますから、「本当の」ブドウ栽培者たちの守護聖人は、ヴァンサン・パロティという4世紀にフエスカで生まれたスペイン人の助祭なのだそうです。

 

伝説によると、ヴァンサンがとあるブドウ栽培者たちのグループに説教中、彼のロバがワインの木を食んでしまいます。彼はロバを殴打し追い払ってしまいますが、翌年ブドウ栽培者たちは、食べられた株が他の株よりたくさん実がなっていることに気づきます。こうしてヴァンサンは、というか実は彼のロバが、なんですが、ブドウの木の剪定を発明したということで、ブドウ栽培者たちの守護聖人になったのです。

 

ラ・サン・ヴァンサン・トゥルナントは、クロ・ド・ヴジョ周辺の村で開催されますが、毎年祭りが行われる村は持ち回りで変わります。このことから「トゥルナント」(tournante=次々移り変わる)と呼ばれています。ちなみに今年はメルキュレ村です。

 

この週末中、メルキュレ、ニュイ・サン・ジュルジュ、フィクサン、シャブリといったブルゴーニュのワインたちに敬意を払うイベントが行われ、村中のセラーが開放され、これらのワインの試飲ができます。有名なグラン・クリュだけでなく、あまり知られていない銘柄も発見するチャンスです。3万から4万の訪問客が訪れるそうです。

 

Saint-Romain - Saint Vincent tournante 2008
ラ・サン・ヴァンサン・トゥルナント祭の行列 
By Christophe.Finot (Own work) [CC BY-SA 2.5], via Wikimedia Commons

le 20 janvier
cyberbloom

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