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フランスの家庭料理と缶詰

フランスの家庭料理のキーワードは「あまり手間をかけない」ということでしょうか。これも日本人の固定概念をひっくり返すようなことかもしれませんが、フランス人は家であまり料理しません。親が共働きである場合が多いので、ラビオリ raviolisの缶詰を開けたり、冷凍のインゲン豆やニンジンをポワレ(poêlée de légumes)にしたり、オーブンで冷凍のキノコとハムのブルトン風クレープ crêpes bretonnes aux champignons et au jambonを焼いたりします。そうすると4人分の晩ご飯は30分もあればできあがります。

 

フランスはヨーロッパの国々のなかでも女性就業率が高いことで知られていますが、冷凍食品や缶詰も女性が働く社会を支えています。ちょっと手抜いても、美味しいものが食べられます。日本で缶詰や冷凍食品は、安い輸入食品や保存食のイメージが強いですが、フランス人にとっての冷凍食品は、日本で言う「調理済みの総菜」のようなものかもしれません。

 

以前紹介したピカールの商品には、オーブンで焼く、フライパンで炒めるなど、ひと手間加えて仕上げるのが多いのも特徴のようです。便利なのは冷凍食品だけではありません。フランスは缶詰天国だということを日本人はあまり知らないでしょう。知り合いの日本在住のフランス人は、フォワグラfoie gras 田舎風パテ pâté de campagne テリーヌ terrine リエット rillettes カスレ cassouletなどを、毎年家族から送ってもらっています。サイズも大きいし、味も抜群においしいので、里帰りの際に、3キロもあるカスレの缶詰を何個かわざわざ自分のスーツケースに入れて日本に持って帰るフランス人も多いんですよ!

 

le 30 avril 2017
cyberbloom

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