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トゥール・ダルジャンが2週間店を閉めたわけ

1つ星に後退したパリの有名レストラン、トゥール・ダルジャン TOUR D’ARGENT が店を2週間閉めました。この2週間は新しいシェフ、フィリップ・ラべ氏 Philippe Labbé が新しいメニューをテストするために費やされました。ラべ氏は前任者のローラン・ドゥラルブル氏の後継として、オーナーのアンドレ・テラーユ氏によって3月に任命されたばかりです。すべて作り直すために、毎日12時間かけてシェフが新しいレシピを試し、新しい一皿は鴨のさくらんぼ風味 canard aux cerises 。

この新しいシェフはとりわけ鴨の血のソースcanard au sang で知られ、2013年にゴーミヨーによってその年の最優秀シェフに選ばれました。鴨は儀式のようにその場で切り分けられます。この料理では鴨は血を失わないように窒息死させられるので、窒息鴨とも呼ばれるようです。肉を取り分けたあと、プレスして血と骨髄を絞りソースにします。

もちろん、彼のミッションは、ミシュランの星を取り戻すためです。トゥール・ダルジャンは1996年、それまで維持してきたミシュランの3つ星を2つ星に落とし、さらには2006年、星は1つになってしまいました。

2週間のあいだ、新しいメニューを試すだけでなく、サービスも刷新させます。戦略を練るために2週間も店を閉めるのは開店以来例外的なことのようです。開店以来と言っても、このレストランは世界で最も古い1582年に開店しました。アンリ4世の時代に「上流階層の社交場」として発展しました。

トゥール・ダルジャンと言えば、通し番号のついた鴨料理で伝統的に有名ですが、有名人の通し番号は、昭和天皇53211、若いエリザベス女王185397、ジョン・トラボルタ601000など。今は100万を越えています。

トゥール・ダルジャンの35万本のワインを収めた巨大なカーブも有名です。料理に合う完璧なワインを探せるワインリストは400ページに及び、重さも8キロになります。もちろん、新メニュー、鴨のサクランボ風味に合うワインも。ソムリエは、ワインが高価すぎて味見ができないので、どんな味か想像しながら、マリアージュを考えなければならないようです。

レストランは5月3日の晩まで閉まっていますが、5月9日にレストランゆかりの品々が競りにかけられ、売りに出されます。レストランの名前が書かれたナプキン、皿、グラスなど、オーナーのテラーユ家のコレクションも含まれています。

le 30 avril 2016
cyberbloom

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