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魔法のケーキ gâteau magique

昨年からフランスで話題のLe gâteau magique「魔法のケーキ」。ついに本邦初のレシピ集、荻田尚子著『魔法のケーキ』(主婦と生活社)が発売され、日本でも人気が出そうな勢いです。実はレシピ自体は、フランスの家庭でよく作られるケーキのレシピにちょっとしたアレンジを加えただけなのです。後者はオーブンさえあればびっくりするほど簡単に作れて、口の中でふわっと溶けるような軽い食感で美味しく、パーティの一品として活躍したものでした。

 

違いは何かというと、後者のケーキの生地が均質なのに対し、魔法のケーキは3つの層に分かれていること。ふわふわ、とろとろ、もちもち…3つの食感のハーモニーが楽しめるのです。つまり「魔法のケーキ」の「魔法」たるゆえんは、切った時の断面にあるのです。上からスポンジ、クリーム、フランと、3つの層から成るのですが、3つの層を別々に焼いて重ねたものではなく、1つに混ぜあわせた生地を焼くと、このような層が自然とできます。特別な道具も材料も必要ありませんが、生地の混ぜ方にその秘密があります。

 

卵黄と卵白を別々に泡立てて混ぜ合わせる際、普通のケーキは均質になるまでよーく混ぜ合わせますが、「魔法のケーキ」は硬く泡立てたメレンゲが比較的水分の多い生地に浸る感じでざっくりとかき混ぜるに留めておきます。焼き方にも工夫があります。普通のケーキよりも低い温度で、長めに焼きます。そうすることで、生地が分離して不思議な3つの層ができるのです。ふわふわのスポンジ生地 génoise aérienne の下に、繊細で軽いクリーム une crème délicate et légère、甘くてもちもちとしたフラン flan sucré 一番下の層にきます。これらが口の中で溶け合って、見た目だけではなく、不思議な食感を醸し出すのです。

 

基本はバニラ味ですが、自分の好きな材料を加えてアレンジするのもいいですね。動画サイトで見つけた、ヌテラ(ヘーゼルナッツペーストをベースに砂糖、ココア、脱脂粉乳、香料、乳化剤などの材料を混ぜ合わせた、チョコレート風味の甘いスプレッド。フランス人はこれをたっぷりパンに塗って食べるのが大好き!)とココナツを加えたものが個人的にツボだったので、レシピをご紹介します。

 

直径30センチの型を使用する普通サイズの2倍の大型バージョンのため、材料も2倍です。材料は卵8個、砂糖125グラム、赤砂糖125グラム、小麦粉230グラム、溶かしバター200グラム、水大さじ2杯、温めた牛乳1リットル、無糖ココア大さじ1杯+出来上がったケーキに振掛ける分大さじ1杯ですが、メレンゲを混ぜる生地にヌテラ200グラムとココナツ30グラムを加えるのがミソ。オーブン160度で1時間焼いた後、少なくとも3~4時間冷蔵庫で冷やして、表面にココアを振掛けます。手順はこちらで… http://www.hervecuisine.com/recette/gateau-magique-nutella-coco/

 

あなたもお好みの材料を加えて、あなただけの「魔法のケーキ」を作ってみてはいかがでしょう。

魔法のケーキ: 焼くと3つの“層”ができる、不思議でおいしいお菓子

le 10 octobre
cyberbloom
 

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