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小関ミオ、11月4日、ロバボンでライブ

小関ミオが兵庫県内100回ライブを達成した。100回を超えても11月10日のファイナルまでライブは続く。そして11月4日はロバボンでの今年3回目のライブだ。兵庫県の町を点で結びながら、そして神戸の街では圧倒的な回数でほとんど面を塗り込めるように歌う。バーやブラッスリーだけなく、蕎麦屋やケーキ屋や雑貨屋でも、デパートや銀行の前でも歌う。聴衆が 20人だろうが10人だろうがとにかく歌う。1日2か所の掛け持ちや移動は当たり前、当日に予定が入ることもある。誰が今までこんな戦略を思いついただろうか。これだけの歌う場を設定できるのは、彼女を神戸に呼んだ波戸岡氏の強力な地元ネットワークもあるのだろうが、彼女の歌が人との出会いや触れ合いに根差しているからである。実際、彼女のあふれ出るバイタリティーにも、人懐っこさにも魅了されずにはいられない。

 

小関ミオは日本でフランス語で歌っている数少ない歌手である。彼女を通して初めてフランス語の歌を意識した神戸の人々も多いかもしれない。20世紀には大学生が最もよく聴く音楽がシャンソンであった時代があったが、今はフランス語の歌を耳にする機会はあまりに少ない(現在、日本で最も認知度が高いフランスの歌手は、アニソンをフランス語でカバーしたクレモンティーヌや、何度も来日しているZAZあたりだろうか)。

 

ソングライターとしてのクオリティの高さを保ちつつ、彼女はあえてフランス語で挑む。手元に彼女のカバーアルバムがあるが、尾崎豊や荒井由実の歌詞を自分でフランス語に書き直している。英語よりもフランス語で歌う方が、多言語が飛び交う港町「神戸」にはふさわしいのである。神戸の街角で、仕事や買い物帰りに、彼女の歌を耳にするなんて素敵なことではないか。そういう意味で、歌声が外に漏れていくような開放的な店構えのブラッスリー(もちろんロバボンのことだ)もまた格好の場所なのだ。こういう場所はなかなか見つからない。

 

最近みんなスマフォにつないだイヤホンをつけているが、そろそろ孤独に音楽を聞くことに飽きている。ジャンルが多様化して、人と音楽の趣味が合い、音楽の話題で盛り上がれることが奇跡的なことになってきた。そういえばレコード屋にも行かなくなり、レコード屋のオヤジや他の客と話すこともなくなった。音楽のネット配信は便利だが、それは私たちから音楽を共有する場を失い、音楽を通した人のつながりや物語を奪ってしまったのだ。また私たちはAmazonのおすすめのループの中に囚われ、孤独な消費者に貶められ、本当に新しい音楽、新しい「音楽の在り方」に遭遇できなくなっている。そのためにはむしろPCやスマホから離れて、街に出るべきなのだ。

 

それを取り戻す動きがサマフェスの人気であり、小関ミオの100回ライブなのだ。音楽はかつて孤独に消費するものではなく、コミュニケーションの媒介となり、仲間を作り、結びつきを強めるものだった。音楽が人に関わることで物語が生まれる。私たちは、ある音楽が喚起する懐かしい風景や、友人や恋人の記憶の鮮烈さをよく知っている。

 

小関ミオの活動として、夏木マリ演出・出演の舞台「印象派NEO」シリーズの第3弾「不思議の国の白雪姫」にオーディションをパスして、参加したことも特筆すべきだろう。彼女は夏木マリと一緒にパリに渡り、今年の4月末にルーブル美術館内の劇場「オーディトリアム・ドゥ・ルーブル」で行われた。フランス語を得意とする小関は、舞台のフランス語のセリフについて夏木にアドバイスすることもあったようだ。

 

夏木マリと言えば、ピチカートファイブの小西康陽とのコラボも知られている。彼はフランス的なセンスに精通している人だ。また今年 Mondo Grosso の「何度でも新しく生まれる」をよく聴いたが、大沢伸一の選ぶミューズたちの列に小関ミオが含まれていても何ら不思議ではない。これは勝手な妄想だが。

 

<Hyogo 100 Love Live @BRASSERIE L’OBABON>

‐詳細‐

小関ミオENVIE 100か所Liveツアーの大詰め!

ロバボンでのライブは新たにTakeru Miyoshiも加わり、更にバージョンアップ♪♫

◆11/4(土)18:00~

演者:小関ミオ ENVIE&Takeru Miyoshi(Piano)

 
通常営業スタイルディナー

※ ご予約は随時承っております。

 

le 20 & 30 octobre
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