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ヴァンサン・カッセル主演『モン・ロワ』上映中!

今回は、ヴァンサン・カッセル主演『モン・ロワ』を紹介します(ロバボンにもポスターが貼ってありますね)。スキーでスピードを出し過ぎて転倒し、負傷した女性弁護士トニー(エマニュエル・ベルコ)が、リハビリに励みながら、愛したジョルジオ(ヴァンサン・カッセル)との過去について振り返ります。実際、リハビリで傷が回復していく過程は、トニーがジョルジオとの過去を反芻しながら、心の整理をし、そうすることで心の傷が癒されていく過程でもあります。

 

二人の出会いが新鮮に感じられたのは、セレブと法曹の世界という、対照的な世界の二人が出会ったからです。セレブの世界は祝祭的で、性的にも放縦。ジョルジオは、自分のことを「ろくでなしの王様 roi des connards 」と呼んでいます。交友関係が派手ですが、人を喜ばせ、楽しませる術を知り尽くしています。しかしその分だけ女性関係も込み入っています。ジョルジオはトニーと付き合いながら、モデルの元カノ、アニエスと関係を断つことがことができません。アニエスとの関係を強引に認めさせられ、トニーはそれを納得しようとしますが、棘のように喉元に突き刺さっています。

 

いずれにせよ、二人の関係は、笑い転げるか、泣き叫ぶかのどちらか。まるで「心電図」のように浮き沈みが激しい。トニーは「平坦な関係」が欲しいと言っていますが、ジョルジオが言うように、心電図が平坦になったら、それは死を意味します。そもそも、一か八かで憧れのジョルジョにちょっかいを出したのはトニーの方なのです。

 

ところで、この映画の監督、マイウェンはリュック・ベッソンの『フィフス・エレメント』で異星人のオペラ歌手、ディーヴァ役を演じたことでも知られています。彼女はベッソンの元カノであり、17歳でベッソンの子供を出産しています。ベッソンは『フィフス・エレメント』の発表の直後に、その主役であったミラ・ジョボヴィッチのとりこになってしまいました。ベッソンに捨てられたマイウェインはうつ状態に陥った。過食症で25キロも太り、アルコールやドラッグにおぼれそうになったそうです。そこから立ち直り、映画監督としてのキャリアを積んだのです。

 

フライヤーではこの映画を「『ベティブルー』から30年!」という強引な紹介の仕方をしていますが、プッツン女とそれに振り回されることに快感を覚える男の映画とは、似ても似つかないことを付け加えておく必要があります。とは言え、男と女の燃え上がる炎のような恋愛はフランス映画の醍醐味ですね。

 

作品情報

2017年3月25日(土) YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開

 

© 2015 / LES PRODUCTIONS DU TRESOR – STUDIOCANAL

 

公式サイト「モン・ロワ~愛を巡るそれぞれの理由」

 

第68回 カンヌ国際映画祭 女優賞受賞
第41回 セザール賞 主要8部門ノミネート
監督:マイウェン「パリ警視庁:未成年保護部隊」
出演者:エマニュエル・ベルコ『なぜ彼女は愛しすぎたのか』、ヴァンサン・カッセル『美女と野獣』、ルイ・ガレル『ドリーマーズ』、イジルド・ル・ベスコ『ふたりのヌーヴェルヴァーグ』

 

原題:MON ROI/2015年/フランス/126分/仏語/日本語字幕:丸山垂穂/R15+/
配給・宣伝:アルバトロス・フィルム、セテラ・インターナショナル/
宣伝協力:テレザ、ポイント・セット

le 20 mars 2017
cyberbloom
 

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