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Column de saison

モンスリ公園

先回、パリの南端に位置するモンスリ公園について触れました。世界各国の留学生会館のある大学都市 cité universitaire に近く、留学生たちの憩いの場所になっていることや、夏に芝生の上で読書をするのが何よりも贅沢な時間だと書きました。そのモンスリ公園についてもう少し詳しくお話ししましょう。

モンスリ公園はいわゆるイギリス式庭園です。それと対照的な形式を持つのが、フランス式庭園で、広大な敷地に軸線を設定した左右対称性、幾何学的な池の配置や、人工的に刈り込まれた植木などが特徴です。17世紀から18世紀にかけてフランスで発達しました。逆にイギリス式庭園は人工性を排して、自然の風景を取り入れた庭園です。フランス式庭園は自然に手を入れて加工する人間の理性を賛美しているわけですが、イギリス式庭園の方は、園内を移動すると風景が移り変わり、理性よりも、自然を楽しむ感性が前面に出ます。モンスリ公園には散歩やジョギングを楽しむ人たちがたくさんいますが、それには抑揚と陰影に満ちたイギリス式庭園がふさわしいのでしょう。

Parc Montsouris le lac.JPG
« Parc Montsouris le lac » par de la photographie Piero d’Houin dit Inocybe — Travail personnel. Sous licence CC BY 2.5 via Wikimedia Commons.

モンスリ公園が造られたのは19世紀のパリ改造の時代です。1853年から1870年まで17年にわたってセーヌ県知事を務めたオスマンは、ナポレオン3世の構想にしたがって、大規模な都市改造を行いました。不潔で風通しの悪いパリの狭い通りを潰して、幅員の広い大通りを設置し、道路網を整備したことが知られていますが、開放的で衛生的な街にするためには、都市の緑化も重要な事業でした。パリに住む人々のために、街区の内側に中庭を設けただけでなく、4つの方角に広大な緑地帯を提供しました。西にブーローニュの森、北にビュットショーモン公園、東にヴァンセンヌの森、南にモンスリ公園と。

実は私、このモンスリ公園で少し特異な経験をしたことがあります。パリの公園は、夜間鍵がかけられ、常駐の警備員が常に巡回していますが、ある日、友人の家族と一緒に閉園ギリギリの時間に公園を北から南の方向に抜けようとしたとき、友人の子供のひとりが迷子になってしまったのです。その子を探しているうちに閉園の時間が過ぎてしまい、警備員の人に呼び止められ、ここ何をしているのだ、もう公園の門は閉まった、と厳しい口調で忠告されました。私たちは事情を説明し、すでに闇に包まれた広大な公園で、みんなでその子の名前を大声で叫びながら、探すことになったのでした(最終的に子供は見つかりましたが)。

もうひとつ付け加えると、モンスリ公園の地下には地下貯水場があります。1873年に建設された20万2000立方メートルの水を蓄える、パリの5つの貯水場の1つです。パリ南部と東部の複数の河川と水路から水を集めて、パリの人口の20%に水を供給する現役の貯水場です。その地下の建築はとても幻想的で、まるで水の底に沈んだ聖堂のようです。暑い夏の日に地下に降りるとさぞかし涼しいことでしょう。ぜひ動画でご覧になってください。

動画:パリの地下貯水場(300 000 m3 d’eau cachés à Paris)

le 25 aout
cyberbloom
 

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