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Column de saison

ヴェルサイユ宮殿の噴水と音楽の祭典 Les Grandes Eaux Musicales 

この時期パリに行ったら郊外まで足を伸ばして、ヴェルサイユ宮殿の美しく整備された幾何学状の広大な庭園で、バロック音楽と噴水に囲まれて優雅に一日過ごしてみてはいかがでしょう。かつて宮殿の王様や貴族達が堪能した華やかな雰囲気の中での庭園散策は日頃の疲れをすっかり癒してくれるでしょう。

ちなみに、世界文化遺産であるヴェルサイユ宮殿の庭園は、造園家の王様と言われ、国王の造園家であったアンドレ・ル・ノートルが17世紀後半に作った、フランス式庭園を代表する最も美しい庭園です。

2015年度の噴水ショーは3月28日から11月1日に行われますが、日程によっては花火も加わった夜間のショーもあるので要チェックです。ライトアップされた噴水はとても幻想的で旅の素晴らしい想い出になるのでしょう。

ところで、観光客はあまり注目しないかもしれませんが、考えてみると今よりもあまり科学技術が発達していないはずの17世紀に、どうやってこれだけの大量の水を噴水から噴出させることができたのか不思議ではありませんか?実はヴェルサイユ宮殿の庭園の噴水システムを発明したのは、フィレンツェ出身の揚水設備の専門家のフランチーニという一族で、もともとアンリ4世が1599年にフランスに呼び寄せたそうです。サンジェルマン・アンレーにある庭園にある人工洞窟に自動噴水装置を据え付けるためでした。

こうして彼らによって欧州随一の揚水システムがヴェルサイユに作られたのですが、まず噴水への大量の給水のためにヴェルサイユ宮殿の周囲に大規模な水路網が建設されました。今も水道橋が残っていますが、水を吸い上げる装置は大変な騒音を出していたそうです。

さらに宮殿の地上と地下に貯水網が建設されましたが、これだけたくさんの噴水をあげるのですから、かなりの水圧が必要です。驚くことに現在もルイ14世の時代のままの装置で噴水をあげているそうで、この装置を維持しているヴェルサイユの噴水工は、世代から世代へと伝統技術を受け継ぐ貴重な職業となっています。

ヴェルサイユ宮殿の地下にある、ルノートル設計の噴水用の水を蓄える「貯水プール」は、1年に1度、メンテナンス期間にあたる数週間だけ空になるそうで、その写真が公開されています。普段見ることのできない美しい光景です。

なぜルイ14世はここまで噴水にこだわったのでしょうか。それは、自然の力の象徴である水をコントロールしてみせることで、自分の威光を示すためでした。それでも水は足りなくて、一度にすべての噴水を動かすことはできませんでした。そこでルイ14世の歩く周辺の噴水を順番に動かしていったそうです。

Grandes Eaux Musicales de Versailles.jpg
Grandes Eaux Musicales de Versailles” by J. degivry – CVS. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Wikimedia Commons.

le 30 mai
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