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Column de saison

フランス料理の形式とマナー

先回、ユネスコがフランス料理を世界無形文化遺産として評価したのは、それが誕生日や結婚式や何かの記念日など、個人やグループの人生における最も重要な瞬間を祝うための社会的な実践という形をとっているからだと書きました。つまりフランス料理は誰かと食事をともにすることに重きをおいているのです。また料理は味覚を楽しむだけでなく、同時に人間と、自然が生み出したもの(つまり料理)の調和を楽しみます。2013年に日本の和食が世界無形文化遺産に登録されましたが、ユネスコは和食の特徴として、多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重、健康的な食生活を支える栄養バランスだけでなく、自然の美しさや季節の移ろいの表現や、正月などの年中行事との密接な関わりを挙げています。つまり料理そのものではなく、料理と日本の伝統文化と社会的な習慣との関連を重視しているのです。

 

それでは、フランス料理は何によって構成されているのか、ユネスコの評価を通して掘り下げてみましょう。まずレシピを作る際には注意深く材料を選び、食材を買いに行くときは、どの地方のものが良いか考えます。また前菜、メイン、チーズ、デザートなど、料理全体の調和だけでなく、食事とワインのマリアージュも考えます。そしてテーブルのデコレーションやインテリアなど、その場の雰囲気を作ることも重要です。また料理を食べている間の独特な身振り(料理の匂いを嗅いだり、味わったり)や、その際に出る豊富な話題も注目すべき要素です。

 

また食事の際にもフランス料理は確固とした手順を尊重します。それはアペリティフに始まり、ディジェスティフ(食後酒)で終わります。そのあいだに最低2皿、多くて4皿の料理が出ます。つまりこの基本の形を軸に、さまざまな要素が付け加わります。美食家と認められている人々は、料理の伝統に対する深い知識と蓄積を兼ね備え、食事の場を盛り上げるだけでなく、言葉や文章で次の若い世代にそれを伝えます。そのコミュニケーションによって、フランス料理は家族と友人のつながり、さらには社会のつながりを強くします。

 

このように書くとフランス料理は堅苦しい、もっと気軽な自由なスタイルで食事をしたいと思う人もいるかもしれません。しかし形式にとらわれないことが必ずしも自由なわけではありません。どうふるまっていいのか不安になる人もいるでしょう。多くの思想や伝統は形としてあらわれます。料理そのものは作品のような形を持っていますが、それらを味わう手順、段取り、手続きにも形があります。気軽さはそれを踏まえてこそ生まれるのです。

 

9月9日にロバボンで開催される「インテリアについて学ぶ&スペシャルランチがいただけるセミナー」に参加してみませんか。インテリアという「形」を通して、フランスの食文化の奥深さを垣間見ることができるでしょう。今回のテーマはビスロトです。

 

日時:2016年9月9日(金)11:00-13:00

 

場所:ブラッスリー ロバボン
http://www.lobabon.com/

 

内容:学ぶ♪

 

ビストロインテリアとは?沢山の事例を見ながら自宅やサロンへの取り入れ方、
ビストロインテリアの色とスタイルのルール
講師 山本智子
デコレーター/テーブルコーデイネーター
サロンドアップル主宰 
http://www.salondeapple.com/

le 20 aout 2016
cyberbloom
 

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