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フランスではハロウィンを祝うのか

近年、日本でハロウィンが重要なイベントとして定着し、若い世代が仮装やパーティを楽しんでいます。もともとアメリカやカナダで盛んに行われているお祭りですが、ヨーロッパではあまり行われていませんでした。そのヨーロッパでも10年くらい前から、ハロウィンを楽しむようになりましたが、やはりアメリカの真似事という印象はぬぐえないようです。

日本のハロウィンはヨーロッパと同じように10年くらい前から移入されたようですが、東京ディズニーランドが仕掛けたイベントの影響が大きかったようで、現在はハロウィンの時期の入場者はクリスマスの時期に匹敵するようです。一方で本家のアメリカでは仮装した子どもたちを自宅に招き入れる風習がありますが、アメリカのハロウィンは商業的に仕掛けられたものではなく、手作りであることが需要なようです。各家々で開かれる手作りのパーティーに参加し、手作りのゲームをして楽しみます。

ハロウィンがなぜアメリカで根付いたかというと、その起源にはアイルランドのケルト系の風俗が関わっており、アイルランド系移民の多いアメリカ合衆国やカナダで、盛大に祝われるようになったのです。フランスではどうかというと、新聞で読んだのですが、記者がフランス文化を発信するアンスティチュ・フランセにハロウィンについて尋ねたところ、「元来アングロサクソン系の文化なので何も行わない」とつれない回答だったようです。しかしフランスでも今や若い世代がグローバルな行事として楽しんでいるようです。何せ中国にまで浸透しているくらいですから。

Halloween の語源は、Allhallows Eve、つまり万聖節(仏語で la Toussaint 古い英語で Allhallowmas )の前夜祭です。11月1日にすべての聖人に対してまとめて祈りを捧げる万聖節(または「諸聖人の日」)は、カトリックの伝統ですが、ケルト起源の異端的な風習を前夜祭として、つまりハロウィンとして残したと考えられています。しかしカトリックの国であるフランスでは11月1日が祭日になっているように、万聖節の方を重要視しているのです。

フランスでは伝統的にハロウィンを祝わないのですが、かろうじて、ロレーヌ地方など一部でかぼちゃのランタンらしきものを作る風習があります。フランス人はハロウィンを祝わない代わりに、万聖節の翌日の「死者の日」に、みんなで先祖の墓参りに出かけ、お供え物をしたり、墓を飾りつけたりします。日本で言うお盆のような風習です。ただし、この日は休日ではないため、休日指定されている11月1日が、実際にはお盆代わりになっているのです。

ケルト人にとって1年の終りは10月31日で、この夜は夏の終わりを意味し、冬の始まりでもあります。彼らが信じるところによると、この時期に死者の霊が家族を訪ねてくるのですが、同時に有害な精霊や魔女も現れます。それらから身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いたのがハロウィンの由来です。ハロウィンだろうが、死者の日だろうが、ヨーロッパにとって長く厳しい冬の到来は否応なしに死を予感し、死について考えざるをえないということなのでしょうか。

le 20 octobre 2015
cyberbloom
 

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