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Column de saison

オペラの季節

フランスの9月は学校の新年度の始まりですが、同時にオペラ・バレエ・演劇シーズンのラントレ rentrée でもあります。9月に入ると一気に気候が悪くなるパリでは、寒く長い冬の夜は屋内での楽しみが待っています。この時期にパリに滞在される機会があれば、ぜひ本格的なオペラを鑑賞されることをオススメします。

華麗な総合芸術であるオペラは、敷居が高いのではと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、あらすじは意外とシンプルで、純粋に音楽、歌、踊りを楽しむことができます。一度鑑賞されると、結構はまる人も多いのではないでしょうか。歴史のある建物の内部も楽しめるのは、むしろバレエなどの演目の多いオペラ・ガルニエですが、近代的で音響施設も素晴らしいオペラ・バスティーユでのオペラは是非一度体験していただきたいと思います。チケットの購入は事前が望ましいですが、当日券が売り切れていても、当日急に来れなくなった人のリターンチケットの販売もあります(値段が高めの分、良い席が多いようです)。

運が良ければ建物入り口のあたりで(ダフ屋さんでなく一般の方の)行けなくなった方から直接譲ってもらえることも。学生だとこのリターンチケットお安く手に入れることも可能で、学生の頃よく列に並んだものでした。ただし、いつも手に入るとは限らないので、無駄足になることも何度かありましたが。この列に並んでいて一度、連れが来られなくなったと思しきイケメンの彼が、同じ列に並んでいた可愛らしい女の子に「ボク、チケットが2枚あるんだ、御一緒にいかが?」と連れ去るのを目撃したことも!

今年の9月からの演目には、日本人にも馴染みの深い『ラ・トラヴィアータ』と『セビリアの理髪師』が並んでいます。『ラ・トラヴィアータ』というタイトルにピンとこなくても『椿姫』と言われると、わかる人も多いと思いますし、これらの音楽のメロディの一部をどこかで耳にしたことがあるはずです。

簡単に解説しておきましょう。『ラ・トラヴィアータ』はアレクサンドル・デュマ・フィスの戯曲『椿姫』が原作の、1853年に発表されたジュゼッペ・ヴェルディの作品です。「椿姫」と呼ばれた高級娼婦ヴィオレッタの切なく、悲しい運命を描いています。『セビリアの理髪師』はピエール・ド・ボーマルシェの戯曲『セヴィリャの理髪師、あるいは無用の用心』が原作の、1816年に発表されたジョアッキーノ・ロッシーニの作品です。

通常オペラと言えば、『ラ・トラヴィアータ』のように、愛や死をテーマとした悲劇が多いのですが、一方『セビリアの理髪師』は客席が大きな笑いでつつまれることがしばしばです。特に第2幕の、変装した伯爵とバルトロとのやり取りに注目してください。また『セビリアの理髪師』の主人公の名前がフィガロと来れば、あのモーツァルトのオペラ『フィガロの結婚』を思い出しますが、『フィガロの結婚』は、この『セヴィリャの理髪師』のフィガロの後日談です。

オペラは長い演目だと終わるのが11時くらいになってしまいますが、豪華絢爛のオペラ座で楽しんだ後はホテルに帰らずに、オペラ座界隈のブラッスリーで暖かい飲み物や軽い食事を取るのも素敵です。寒い冬でも、テラスには雰囲気の良い暖房が備え付けてあるので、華麗なオペラを堪能した後の余韻にゆっくり浸れることでしょう。

Paris Opera Garnier Grand Escalier 02
By GIRAUD Patrick fr:Utilisateur:Calips (Own work) [CC-BY-SA-2.5], via Wikimedia Commons

le 30 septembre
cyberbloom
 

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